TeX 数式環境について覚書

先日、equation環境でも数式番号が入らない、という話を後輩から聞いたので、数式環境についての覚書を晒します。

TeXにおける数式環境の違いについて

記号で囲む
$ x $
% $マーク一つで囲う場合にはインラインモードです。
% 分数(\frac)等を利用する場合、行内用に整形されます(\textstyle)。
$\displaystyle \frac{x}{y}$
% 行内でも通常通りに表示したい場合、\displaystyle を使いましょう。

$$ y $$
% $$で囲うと数式番号が付加されずに自動で改行されて出力されます。
% \documentclass の「fleqn」オプションは適用されません。注意。

\[ z \] 
% 基本的に$$と同じですが、「fleqn」オプションが適用されます。
% 「fleqn」オプションを適用していなければ$$との違いは分かりません。
% equation*環境と同じだと思っています。
環境を使う
\begin{equation}  〜 \end{equation}
\begin{equation*} 〜 \end{equation*}
% 最も一般的な数式環境だと思います。
% *をつけることで数式番号を付けなくすることが出来ます(\[\]と同じ)。

\begin{eqnarray}  〜 \end{eqnarray}
\begin{eqnarray*} 〜 \end{eqnarray*}
% 数式を多段組にしたい場合に使う環境です。
% *で数式番号なし。\nonumber で特定の行だけ数式番号無し。
% 内部的には\begin{tabular}{rcl} 〜 \end{tabular}の数式版だと思いましょう。
% 使い方は以下
\begin{eqnarray}
% 右寄せ & 中央揃え & 左寄せ \\ % &で区切り\\で改行(tabular環境と一緒)
y & = & (x+a)^2 \nonumber \\    % \nonumber は改行前に入れる。改行後に入れると次の行が番号なしに。
  & = & x^2 + 2ax + a^2         % 最後の行には\\を入れない。入れると空行が入る。
\end{eqnarray}

他にもalign環境など、便利な環境を入れた様々なパッケージが公開されています。
どんどん使っていくと楽しいと思います。